七月四日 雷雨の話 二

 左の人差し指と中指で、薄く開いた唇に軽く触れる。迎え入れられるのに従い、口に差し込んでしゃぶらせる。舌を挟んでみたり撫でてみたりして、指に唾液を纏わせ、それから、Tシャツをたくし上げたことで露わになった乳首に塗り込んだ。

 その間に、もう一方の乳首に吸い付く。ときどき甘噛みをしてやると、彼は悩ましげな声を上げた。少しの刺激ですぐに充血するここへの緩やかな責めは、こいつの思考を溶かすのに十分だった。

 右手はというと、始めのうちは背中や脇腹を触れるか触れないかという具合で弄っていたが、次第に太腿へと移動させた。短パンの裾から手を入れ、内側の皮膚の薄いところを撫でるが、決定的な刺激は与えない。それがもどかしいのか腰が揺れている。

 そうやってじわじわと高まるようにしてやれば、次の段階へと急かす声がかかった。あまり焦らしすぎて、期限を損ねられると面倒なので、俺はおとなしく従った。もとより今日のは、こいつのための行為だ。

 短パンと下着を脱がせてから、サイドボードの引き出しから潤滑剤のボトルを取り出す。潤滑油を手に出して少し温め、わずかに兆した性器を扱く。このまま達するまで続けるべきか、はたまた良きところ止めるべきか。なんとなく、今日は後者だなと思った。

 指で作った輪っかで性器の根元を握り、付近に数回、軽く吸い付く。浮き上がった血管をなぞるように舐め上げる。皮の中、尿道口も順番に。それから口の中に唾液を溜めて口を窄め、ゆっくりと咥え込む。亀頭だけ含んだところで引き返し、唇が完全に離れる前にまた咥える。この間も緩く扱いたり、陰嚢を弄ったりする手は休めない。ぬるま湯に浸かっているかのような快感では、きっと上り詰めるには足りないだろう。

 唾液まみれになった陰茎から口を離す。再度、潤滑剤を手に出して指に纏わせると、尻の間の窄まりに当て、押したり揉んだりしながら解していく。柔らかくなってきたのを確認し、中指を第一関節まで入れてみる。まだ少し、力みが取れていないので、緊張をとる意味でキスをしてみたら、尻を蹴られた上、こいつのものを咥えた口でするなと言われてしまった。

 しかし、そのやりとりで余計な力が抜けたのか、中は順応し始めていた。普段から一週間と開けないで交わっているからか、実は一人で使っているからなのかはわからないが、すぐに指を二本入れられるようになった。

 抜き差しをしながら内壁を抉るように動かす。空間に余裕ができたら指を広げたり互い違いに動かしたりする。爪先がいいところを掠める度に腰が跳ねている。快感を逃がすような動きだったのが、段々と自分で「そこ」に押し当てるような動きに変わった。

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